「2027年例会レパートリー」提案理由
2026年4月/神奈川演劇鑑賞団体連絡会議 幹事会
◆神奈川演鑑連の「例会レパートリー」づくり
神奈川演鑑連(ブロック)では、時代や社会状況を考慮しつつ、バラエティー豊かな心に残る珠玉の作品を「例会レパートリー」として各団体のサークルに提案。その合意に基づく民主的な手続きをもって決定し、ブロック統一例会として劇団・創造団体を迎えています。神奈川演鑑連幹事会として提案する「2027年例会レパートリー案」は以下の通りです。
「2027年例会レパートリー」提案理由
2026年4月/神奈川演劇鑑賞団体連絡会議 幹事会
◆神奈川演鑑連の「例会レパートリー」づくり
神奈川演鑑連(ブロック)では、時代や社会状況を考慮しつつ、バラエティー豊かな心に残る珠玉の作品を「例会レパートリー」として各団体のサークルに提案。その合意に基づく民主的な手続きをもって決定し、ブロック統一例会として劇団・創造団体を迎えています。神奈川演鑑連幹事会として提案する「2027年例会レパートリー案」は以下の通りです。
■2月例会は、東京演劇アンサンブル『白い輪、あるいは祈り』です。
脚本・演出は鄭義信。ブレヒト作品を上演し続けてきた東京演劇アンサンブルの創立70周年記念として初コラボ。旧ソ連コーカサス地方を舞台としたブレヒト作品を架空の時代と場所に置き換えた、歌、踊り、殺陣…とエンターテイメント性も豊かな群像劇。「コーカサス版大岡裁き・子争い」とも言える物語から、反戦・平和や普遍的な親の情など、現代を生きる私たちの胸に迫る祈りの作品です。
■4月例会は、文学座『オセロー』です。
小さな嫉妬がやがてすべてを破壊する悲劇へと発展する、シェイクスピアの「四大悲劇」の一つと称される『オセロー』。悲劇でありながら喜劇とも感じさせるシェイクスピアの溢れるセリフと、俳優陣のエネルギー…。欲望や絶望、嫉妬や猜疑心といった人間に内在する普遍的な感情、また、肌の色の違いによる人種差別的な偏見など、現代を生きる私たちにも通じる問題をも提起する舞台です。
■6月例会は、劇団NLT『二階の女』です。
正体の知れない「二階の女」によって、人がキリキリ舞いさせられる中に、人生の悲哀、夫婦の愛情などを、ユーモラスにそして厳しく描く奇想天外な物語。文化勲章受章者でもあるユーモア小説の大家・獅子文六と、コメディ路線一作目の演出家・飯沢匡。劇団NLTの原点である二人の結晶ともいえる作品で、今の時代を問う舞台です。「二階の女」…それは戦争という怪物かも知れません。
■8月例会は、劇団文化座『ビルマの竪琴』です。
凄惨を極めたビルマ(現ミャンマー)戦線のさらに奥地。敗戦後、捕虜収容所に送られた兵士たちは唄った、未だ戻らない仲間の心に届くよう日本の歌を精魂込めて。その時、群衆の後ろに一人のビルマ僧の姿が…。教え子の多くを戦場で亡くした昭和の知識人・竹山道雄が、次世代に伝えようとした「日本人の心」とは…。死者を弔う鎮魂の物語であると共に、平和を願う私たちの未来に向けた物語です。
■10月例会は、劇団昴『宮沢賢治・宛名のない手紙』です。
宛名のない手紙を受け取った山猫博士は、旅に出た。辿り着いたそこには、何が待っていたのか…。
「注文の多い料理店」「よだかの星」「セロ弾きのゴーシュ」等、宮澤賢治が百年余り前に描いた名作の数々は、現在も人々に愛され読み継がれています。それらを銀河鉄道で旅をしながらオムニバス形式で結んで、物語の核にある「賢治が描く世界の美しさ」を、歌とダンスを交えて表現する音楽劇です。
■12月例会は、劇団銅鑼『月から抜け出したくて』です。
十代の頃に少年院に入り、保護司による指導と支援のもと更生した主人公が、ある日、彼の保護司だった男に保護司をやってみないかと誘われる。月にひとりぼっち取り残されたような感覚だった自分を助け、抜け出させてくれた保護司のような人間に、果たして自分はなれるのだろうか…。人と人とが寄り添うことの大切さや、関わることの中で人は心開き、変われることを、改めて感じさせる作品です。
2027年の例会レパートリーとして提案する作品には、人間に内在する破滅的な負の感情と平和を願う根源的な思いの双方が、時代や設定を超えて描かれています。そして、それらの全てを凌駕するのは、人と人との関わりから紡ぎ出される他者への想像力であることを感じさせてくれます。世界情勢も、日本の国政の流れも、「いつかきた道」を既に辿りはじめている今だからこそ、かけがえの無い生命が守られる社会を希求し続けるためにも、利己主義に陥らず、想像力をもって人と人とが繋がり合うことの大切さを共有したいとの思いで、上記の作品を提案します。