【感想】
★第一印象として、もっと、懐かしさやノスタルジーに浸れる時代かと思っていましたが、戦後の混乱はすさまじかったのだと、ここではそれが露骨に出てこない華族の生活からも想像できました。権藤の在日朝鮮人の視点は冷徹ですが、リアリティーがありました。
個人的には、ジョージイトウの複雑な個性に惹かれました。日系人、日本との戦争、人種差別、平和憲法と朝鮮戦争等いくつもの対立する要素を抱えているのが全身から発散されているようで、演じた塩田 泰久さんに魅了されました。
劇団民藝からの資料に、一言でいうと「デモクラシーに恋をする女性の物語」ですとありました。ジョージイトウの訃報を聞いた後、憲法前文を読みながら部屋の中に降る雪とともにスポットライトに照らされて踊る華子はとてもきれいでした。 (サハン)
★ 目的の不明な、衆議院議員選挙が行われようとしています。戦後80年が過ぎようとしている今、改めて「民主主義とは何か」を考える、良いきっかけになりました。また、日本国憲法の成り立ちやその解釈が、為政者(勿論市民にとっても)にとって様々であることを思うと、本当に危うさ(キナ臭さ)しか感じられない、現在の日本(世界中どこも似たようなもの?)。
そんなことを思いながら、当時の混乱の中で、華族や庶民(使用人)や虐げられた民族や政治家や闇商人やら…が、縮図のように一つの舞台上でドタバタと、時に笑わせ時に泣かせ、時に怒りを爆発させ時に沈黙し…、人間臭くエネルギッシュに演じられて、引き込まれました。
ただ、やはり肝心のセリフが所々聞き取れず(特に、長ゼリフの憲法やデモクラシーの下り=ジョージ・イトウ)、残念でもどかしかったです。
建て替わる市民会館ホールに、期待したいものです。 (ひろば)
★敗戦後は日本中どこでも大変混乱していたでしょう。そしてGHQが入って来てからは、劇のように、貴族の方のお屋敷を占領し土足で家の中を歩き回っていたという事です。
貴族の当主は、もと大名であった為生活力のないお殿様です。そこへいくと女の人は、協調性や順応性も相まって新しいものをどんどん吸収してたくましく生きて行かれたのでしょう。
敗戦で大変なことを経験している国があるというのに、世界では未だに戦争があちこちで起こっています。その犠牲者は弱い子供や女性です。自国の利益ばかり追求しないでもっと他人に優しく出来ないものでしょうか。
一日も早く世界が平和になります様に。 (ハイビスカス)
★権藤さんが蛍の光を聴くと泣けてくると言ったのが気になっていました。最後の方で、韓国語で蛍の光のメロディーで歌っていましたよね。あれは、1948年前まで、蛍の光と同じメロディーで韓国の国家であった愛国歌として歌われていたそうです。1948年以降は現在のメロディーになっているようです。ですから、権藤さんは朝鮮から日本に来て、闇屋をして生活していたのですが、つかまりそうになって、死期が迫っていた時に韓国の愛国歌を歌ったのですね。納得しました。本当にいろんな問題が詰まった劇でした。
二つの恋の物語を通じて、背景にある憲法について目を向けることが出来ました。忘れないように、憲法全文を読んでみようと思いました。
運営サークル会に参加して、その仕事が、少し分かったような気がします。 (スイトピーⅡ)
★作品の背景が丁度自分の小学1年から5年生の時代でした。5、6年生の担任が若く、当時としては新憲法下の民主主義の申し子のような教師でした。連合軍の占領のことや、憲法の前文の解釈も教えてくれました。そんな小学生時代を過ごした私にとって、劇中の色々な風潮が懐かしいというより身につまされることばかりでした。
劇中の女性たちが、民主主義は、皆が人間として自由で平等であることに気付き、今の状況をなんとか乗り越えていこうとする姿に逞しさを感じました。その一方でどの登場人物も思い通りにいかない悲しみや苛立ちをかかえ、劇中一貫してながれている
グレイという言葉が悲しく重く感じられました。一方、千葉茂則さん扮する五條伯爵が昭和天皇を彷彿とさせて内心笑ってしまいました。
今、世界中で民主主義という理念が軽んじられ、疑われるような社会になってしまいました。華子さんが「自由と権利は不断の努力によって保持されなければならない 」という憲法の一文を言うせりふがありました。このことは、グレイクリスマスの初演の2018年当時に比べ、今こそ私たちは、もっともっと考えねばならない社会になってきていると思いました。 (百日紅)
★劇を知らない私ですが、グレイクリスマスを観て自分に興味が無い訳か、又面白くないのだろうと思っていましたが、伯爵の話し方がスローでよく聞こえました。時々、おもしろい事を話すので笑えました。 (スカイベリー)
★とても解りやすくて良かったと思います。気持ちが伝わって来た気がします。 (スカイベリー)
★いろいろな立場の方が出演し、激動の時代にただ流されるのではなく、自分の考えで行動することの大切さを考えさせられました。ただ最後に華子さんが憲法を読み上げてところで、字幕とか投影がされるともっとわかりやすかったと思います。
感動的なお芝居を、ありがとうございました。 (糸ぐるま3)
★今回は「グレイクリスマス」を観させて頂きました。私は余り社会情勢は良くわかりませんでした。でも、アメリカ軍が上陸をして家を取られ、その影でつらい人達がいたのだとわかりました。クリスマスは楽しい時間だけではないのだと知りました。今後が楽しみです。 (スカイベリー)
★クリスマスの5年間の物語!ロマンチックなクリスマスのお話ではなく、こんなにもなかみの濃いお話とは・・・。もう一度見たいと思いましたが、鎌倉で最終日に観ることができました。通しの藤沢市民会館予定でしたが、その後、風邪をひき、川崎で観ることができませんでした。大雪と選挙が続き、いてもたってもいられない日々となりました。
ウクライナの戦争がより身近となり、第二次大戦が古い話ではなくなりつつあり、日本国憲法を改めて読みなおさなくてはと思いました。 (こだまこだまこだま)
★終戦後5年間の変化は、こんなにも盛り沢山の内容であったのかとお芝居を観て強く感じました。その中で、私が印象に残った場面は女性達がヒロイン達だけでなく、雇人も含めて生き生きとクリスマスを楽しむ様子でした。男社会の日本を大きく変えた時代だったのです。戦後80年経ち、当時を知ることでもう一度問題点を考え直し、未来に向かわねばとつくづく思いました。 (青春切符)
★時代に翻弄され、戸惑う人間模様を切り取った素晴らしい作品(舞台)でした。日本の戦後の変遷を思い描くきっかけとなりました。 (青春切符)
★小学生の時、伝統はなぜ守らなければならないのか?というテーマで議論が起こった。守る考えと、壊して新しいものを自分たちで作るべき。という2極化した勢力は、最終的に「守る」ということで決着した。
これはその時の全員が伝統を守ることについて調べて、自分なりに考えたからだった。
大切なことは、自分のこととして考えることだと思う。
憲法が自分自身の生活にどういうかたちで繋がっているのか、そういうことを一人ひとりが考えられたら良いなと思う。
ぐるりの事、それにどれだけの人が真摯に向き合えるだろうか、作品を見てそう感じた。 (サブカリズム)
★進駐軍に接収された終戦後の5年間「事実は小説より奇なり」で、あらゆる事がありその一部が再現された舞台だったと思う。この時期に新憲法ができ、80年間戦争のない日本が保たれた事を誇りに思う。絶対にこれを守り、演劇鑑賞のできる平和な世の中でなければならないと再認識した。