●公演の会場/湘南台市民シアター
●公演の日程/2026年6月27日 (土)5時開演
【感想】
★農業について関心を持っていましたので、身近な課題として今回の演劇『老いらくの恋〜農の明日へ』を楽しみにしていました。
「安心・安全な農産物を、農業経営の安定のために」の産直運動に参加して、近所の人たちと数十年前から千葉県の地域の農家と契約してお米・野菜・大豆製品・卵・豚肉・肉製品を定期購入しています。
私自身も高齢で耕作が難しくなった人から畑を譲り受けて、少しずつですが野菜を作っています。今は中玉トマト、キュウリ、ジャガイモの収穫時で、トウモロコシやサツマイモの苗が育っています。
畑の作業が奈緒さんの言う退職後のレクリエーションで、農業を楽しんでいます。
それでも、種、苗、肥料、ネット、農機具も費用がかさんできました。後期高齢者の私達もいつまで車で畑に通えるか分かりません。
周囲も高齢化に伴い、耕作放棄地が年々増え、葦や雑草に覆われた畑が増えています。実はこの畑一帯は昔は水田でした。農業政策の一環で、一帯を埋め立て畑地に転換した所でした。同じような風景が都市周辺で広がっています。
今の日本の農業、農村、農家には大きな様々な課題や問題があります。
『老いらくの恋〜農の明日へ』は決して派手に、それを声高に訴える場面はありませんでしたが、静かな会話の言葉一つひとつに、大切な訴えるメッセージが丁寧に込められていました。
食料自給率が低いわが国の危うさ、負荷をつけた高級品輸出の危惧、大規模集約化の問題、地域のつながり、地産地消、後継者問題、康子さんの「言葉より、行動に」農夫也さんの「農業は金を追いかければ、金に追いかけられる」美絵さんの「命を頂いているという思いを子どもに」等々・・・
農家の居間から見える背景の水田風景も心癒され、私達も農家の居間にいる気分でした。
折しも、湘南台市民シアターの外は台風8号が通過していた時でした。「じいちゃんの恋人(シャインマスカット)」を襲う台風の効果音は恐ろしく、舞台の恋人(シャインマスカット)を心配しながら、私自身の畑のトウモロコシも心配になりました。
それでいて、舞台は全体的に明るく、見ている私達にも「それあるある場面」で思わず笑いを誘われました。
私にとって『心に残る作品』になります。神奈川の千秋楽だったのに前例会クリアに貢献できなかった事、重く苦しいです。 (サンシャイン)
★私は宮城県の米作りが盛んなどころで育ちました。我が家は兼業農家でしたが、同級生は米作り農家ばかり。小学生時代の田植え期、『農繁休業』がありました。田植えを手伝うため学校が3日〜5日間程休みになるのです。機械化されてない時代ですから田植えは近所が共同で進め、子供は子守りやこびる(十時・三時の休憩時のおやつ的な物)運び等手伝いました。中学生になったらさすがに農繫休業は無くなりましたが、田植えの手伝いと学校に届けると公休扱いでした。
あの頃は近所の繋がりは強く、地域に何かあるとみんなで話し合い総出でやっていました。煩わしいこともあったと思いますが、父は、仕事を休んでも出かけていました。
私は、田植えや稲刈り等を手伝いました。腰を90度に曲げての作業、翌日はモモ裏の筋肉痛に悩まされました。どの家も野菜は勿論味噌・醤油も作り、肉や魚以外自給自足の生活でした。収穫した物は翌年まで工夫して貯蔵し、無駄にはしませんでした。
宮城に居た頃を思い出させてくれたこの例会。白菜の花や野菜の花々、また稲の黄色がかった白い花が咲いた頃の農家の人達の喜び、その年の豊作を期待する会話等、様々なことを思い出しました。
農作業の大変さ・気候変動に左右される現状・物価高騰で経営の難しさ・担い手不足・政府に振り回される等農業問題は、解決策がすぐには見つかりません。毎日の食には切っても切れない農産物。私たちの生活と地続きな問題を笑いと涙を織り交ぜたお芝居にして劇団は届けてくださいました。これからもっと賢い消費者になって安くておいしいものを求めるだけでなく作り手の事も考えていきたいと思います。
農夫のシャインマスカットに恋をして慈しむ様子は、秋の実りまで田んぼに通っていた父の姿と重なりました。農夫と康子の夫婦愛、いい味が出ていました。ほのぼのしました。 (第3かわずの会)
★豊かさとは何か、幸せとは何かを改めて考えさせられた作品だったと思います。目の前の利益だけではなく、農業の有るべき姿と向き合い続ける生き方には、派手さはないけれど確かな幸せがあるのだと感じました。ほっこりとした温かさと、ユーモアに包まれる作品でありながら、その奥に現代の私達が直面している価値観の揺らぎのようなものが感じられるストーリーでした。シャインマスカットの木に恋する農夫さん。そんな夫の安全を守るために出刃包丁を振り回した奥さんの姿に笑ってしまいながら、心を打たれました。台風接近でハラハラしましたが、開催して頂けたことに感謝致します。 (あけちの会)
★食の自給率から始まり、農業は、楽しいと捉える山下惣一さん原作は、副題にある「農の明日へ」を感じ取りました。短い上演時間の中に、高齢者の病、農家の悩み等、現代の課題を取り入れ、ユーモアある場面も盛りだくさんでしたが、脚本の素晴らしさも感じました。次回の新作も期待しています。(いっぱいの会2)
★スーパーに行けば大量の食糧があふれている現在、食糧自給率が30%台と言われてもピンときていませんでした。今回の『老いらくの恋』を観劇してみて身近の農産物所で買うことの意義、一人ひとりの行動を変えて地産地消の一歩になるのではないかと思いました。『老いらくの恋』の題名にご主人の恋物語と思いきや現在の農業の担い手不足や食糧自給率の低さなど深刻な問題を佐賀の農村を舞台にコミカルに描いていて、とても面白かったです。 (トラベル)
★劇が終わるとサークルメンバーで感想を話しました。私は、九州出身なので方言が懐かしくすぐに引き込まれました。出演者の熱演がひしひしと伝わり、笑ったりドキッとしたり、アッという間の2時間あまりでした。テーマも身近な問題であるコロナや病気、高齢化から農業の今とこれからという深刻な問題まで取り組まれていました。そんな中で明るくユーモアを交えながら生きていこうとする人間模様が分かりやすく演出されていて元気やパワーをいただきました。 (梓)
★世界情勢に目を向けているだけで、日本の農業問題はテレビ・新聞で確認するぐらいで深刻には考えていませんでした。今回、運営サークルとして『老いらくの恋』を担当することで、「食糧自給率」「地産地消」「身土不二」「農業就業人口の危機的な減少と高齢化の進行」等々、たくさんのことを学ぶことができました。大げさかもしれませんが自分の子どもや孫の未来は、普通に生きていける人生を送っていけるのだろうかと真剣に考えるようになりました。
この作品を観ることで、日本の農業が今どんな状況であるのかを、ユーモアを交えてわかりやすく伝えてくれます。とにかく一人でも多くの方に『老いらくの恋』を観てもらいたいと思いました。 (メープル)
★とても良い舞台でした。題名からは想像もつかないほど日本の食料事情の現実問題を扱った作品でした。毎日食べている物に 日本の農業危機を教えてもらいました。食育、夫婦愛、笑いもあり、終わった後、ほのぼのとした気持ちになりました。(わすれな草)
★実の夫婦より息のぴったり合った演技、おもしろくにぎやかな中にも農への熱い思いが吐露されるなどなかなか見応えのある例会でした。(わすれな草)
★とても良い舞台でした。題名からは想像もつかないほど日本の食料事情の現実問題を扱った作品でした。毎日食べている物に日本の農業危機を教えてもらいました。食育、夫婦愛、笑いもあり、終わった後、ほのぼのとした気持ちになりました。 (わすれな草)
★劇団青年劇場『老いらくの恋〜農の明日へ』。80過ぎのじいちゃんが恋をした。
老いた農夫也が恋したのは人ではなく、入院中に食べた「マスカット」である。種なしの皮ごと食べられる葡萄である。食べた瞬間元気づけられ、この魔法の作物を自分も作ってみようと思ったのが恋の始まり。
私も家庭菜園を始めて延々40年。土日中心の作業が、70を過ぎたいまは毎日が日曜日。恋人に会うがごとく畑に日参している。いまは、春野菜が終わり夏野菜の収穫が始まった時期。夏野菜(茄子・胡瓜・ピーマン・トマト・西瓜・南瓜・とうもろこし・枝豆等)は、花が実ったものを収穫する。一つひとつの夏野菜の花々は、とても繊細できれい。この花々を実らせる手助けが、蜜蜂をはじめとする虫たちの受粉と気候である。
安心して口に入れる事ができる事を念頭に無農薬有機栽培にこだわってきた。家族を中心として近隣の方々、はたまた社協を通して子ども食堂にも収穫物を配り喜ばれている。
私もこの頃「この畑作業はいつまでできるだろうか?」と懸念を持ち始めている。私は畑を片付け持ち主の方に戻すつもりだが、農家の方々にとっての跡継ぎは大きな問題。もう一つは、地球規模の温暖化である。異常気象では片づけられないところまで迫って来ている気がしている。作物を作る環境の悪化!大きな課題を訴えている今回の演劇であった。 (サンライズ)
★日本の農業の問題に切り込みながらも深刻な内容にはならず、個性あふれる出演者の方々の素晴らしい演技に魅了された2時間でした。明るさや希望、ほほえましささえ感じられたお芝居に心地よい楽しさ笑いをいただきました。
私の実家もかっては兼業農家でしたが、後継者がいなく田んぼの半分は植木屋さんの親戚にあずけ、あと半分は知り合いの方が菊の花作りに転作して今に至っています。友だちは減反を期にメロン作りを始め、今は息子さんたちが引き継ぎシャインマスカット作りもやっています。米作りだけではやっていけないのが農業の現実でした。また、最近は若いご夫婦が移住してきて林業に興味を持ち、地元の方からの指導を受けているという話も聞きました。
この作品でも、若い人たちの農業に対する関心やそれを支えていこうとする地域の人たちとのつながりが見られ、ホッとする未来が見えたように感じました。耕作地は減り農家の生活は厳しくなり、農産物の自給率は38%まで下がってきている今の農業の現実に無関心ではいられない思いを強くしました。(スイートピー)
★開演前の作業中「この作品は喜劇なのよ!」の声を耳にしました。「えっ!喜劇?!喜劇なの?」。席に着き舞台をみると、なぜか懐かしい茶の間風景、そうそう『菜の花らぷそでぃ』の茶の間?! あっという間の2時間10分(休憩含む)。農への想いを通して色々な人のそれぞれの想いが描かれ、涙あり(?)笑いありで現代社会の問題を考えさせられた作品でした。(近くの男性方も爆笑されていましたよ)。来られなかったサークルの仲間にも観て欲しかったと思いました。
シャインマスカットへの想い・康子さんへの想いー農夫也さん素敵でした。 (つぼみ)
★「他の人にも是非この舞台をみて欲しいという思いでした。第一線を退いた農夫也の想い、決して明るくない未来に対してどのように営農するか悩む若者。笑いを誘いながら日本の農が抱える課題・問題を提示しました。そして人と人とのつながり方も。はっきりとした答えは出さなくてもみる人各々が考えさせられました。
でも老いらくの恋人が「シャインマスカット」とは! (グループA)
★家族農業と大規模拡大を目指す農夫也と青年団長を通して地域の人々の苦悩や人と人とのふれあいや温かさが演出され、今の日本のおかれている物価高に直面し、外国からの輸入で成り立っている食料自給率の低さ、担い手不足の課題を涙と笑い、ユーモラスに包んで,私達に演じてくださり、あっという間の2時間でした。
食の問題は、他人事ではなく日本の皆が共に考え、解決策をさぐっていく事が必要だと強く思いました。 (無縫会・原宿)
★今回は日本の農業について。農夫也の生産する喜びと農業は生きる喜びだという哲学をもち、奈緒さんもそれを受け継ぎ、農業に希望を見つけ生きていく。一方、青年農家は、ブランド農作物を作り、より収入を得るべきだとの考え。
食料自給率38%をどうにか改善していくためにはどうしたらいいのか?
お茶の間を通して老いの問題や若者の悩み、保育園の子どもの食へのこと、様々なことを笑いながら、若い奈緒さんや孫の勇太郎の成長を通して、人とのつながりや、ぶつかり合いを通して少し希望がもてました。
生産者と消費者がもっと繋がり生産者を元気にしていけたらと思います。 (無縫会)
★作品は喜劇タッチで進められていましたが、農業の難しさがメインにあり、後継者問題、近年の外交と戦争を絡めた農産物販売や輸出にどう取り組むか、農民一人ひとりが農業への考え方があり、困難さが描かれていました。日本の、郷里の農業の継続して、育てていくにはどのようにしていくべきなのか、一人ひとりが悩み、考えていくことを突き付けられたように感じました。
天候不順のなか実施してくれたことに感謝です。観ることができて本当に良かったです。(いっぱいの会2)
★日本の農家の現状や孤独や孤立の社会問題、老いた夫婦の在り方など、盛りこまれていて、少しテンポが早いかなとも感じたが、役者さんのあきさせない上手な演技で、笑ってしまう場面も多くて、見ていて楽しかったです。故郷の九州弁もなつかしくて、とてもホッコリしました。
書籍の販売を担当していたのですが、「買って下さい!」と声高に言っても素通りする人が多かったのに、舞台が終わると、販売コーナーの前に人が集まり「農の明日へ」の山下惣一さんの本は完売しました。演劇が、見ている人の心を動かし、もっと知りたいと思わせたのでしょうか。 (ブルーローズ)
★冒頭の食糧自給率の話は深刻な数字で考えさせられました。難しい話になるのかと思いましたが、息の合った掛け合いのテンポも良く楽しいお芝居でした。あちこちで笑いが起きて観劇の素晴らしさを実感しました。
普段農業について深く考えた事がなかったので、劇中いろいろな話が出て、考えるきっかけになりました。 (メープル)
★社会性のあるテーマで演劇活動している青年劇場。今回の作品テーマが「農業」にあることは分かりやすいが、「日本のカロリーベース食料自給率は38%」からの始まりには驚きました。農政に振り回された農家の話、高齢化・過疎化が進む地域の問題に話が進んで、「恋」はどこにいくのだろうと思いました。
劇中では、青年団長の高付加価値化の話から、「儲かる農業」「成長産業としての農業」がありました。「金を追ったら、金に追いかけられる」という農夫也の話も1960年代、70年代の農政を思い出すところでした。また、保育園への販路拡大、祭りの開催など「農業はあくまで手段で、そこで暮らしていくことが目的」というのと合わせると、山下惣一の考え方が見えてくるように思えました。農業を単なる「モノ作りの経済活動」とみるのではなく、住み暮らす地域のことや、「経済成長より継続」など、今の私たちの生活にも通じる問いかけに感じた作品でした。 (ブルーモニカ)
★タイトルを見た時あまり気乗りがしなかったのですが、農の明日へという大事なテーマをテンポよく進んでいく舞台に、いつの間にか吸い込まれていました。生きていくのに食はなくてはならないものだし、当たり前のように日々食べている。この舞台からのメッセージが未来の農業、日本の農業に深く感心を持たなければと思いました。謎の解けたタイトルにも感心し、見終わった後、身体が軽く爽やかな気分に包まれていました。
(そよ風)
★日本の農業問題をおもしろおかしく伝える興味深い舞台でした。私の家に狭いですが畑があり、夫が退職してから農業というほどではないですが、野菜や果樹栽培を始めました。もっぱら先生はユーチューブなのですが、うまくいったり失敗したりなかなか難しいようです。3年前にシャインマスカットも植え、今年はかなりの房がつきました。ジベレリン処理をしたり摘果したり色々面倒を見ています。農夫也さんの恋人とまではいかなくても果物、特にブドウはいろいろ手をかける必要があるようです。
作物を育てるということは苦労もありますが、成果が得られた時の喜びはまた格別のようです。わが家の周辺は宅地開発が進んでいますが、それでもまだ何も作物を作っていない畑や耕作放棄地がたくさんあります。そういった土地を利用してもっとだれもが自由に農業や家庭菜園を楽しむことができればいいと思います。 (ピーマン)